技術屋とビジネス屋

世の中、専門的になればなるほどカバー範囲は狭くならざるを得ず、その端的な例が技術屋だ。一芸に秀でるために他のものを犠牲にしていると言ってもいい。リミッター解除したYF-21みたいなものだ。普通考えれば分かるが、ITという分野があるわけじゃない。プログラミングと言っても組み込みとWEBアプリケーションはまったく違うし、アナログと言ったって電波と電源は全然違う。
ただ、ある程度の技術レベルに達した人であればsimilarityを以て他の技術を語ることは可能で、例えばマルチコアプロセッサのわかる人ならサーバー仮想化のことは予測レベルでほとんどわかる、たぶん。また、similarityじゃなくてもWEBアプリケーションを極めた人ならサーバーのチューニングとかネットワークのルーティングまで考えてる、恐らく。だから、プロの技術屋は専門バカではないと理解している。
さて、一方で、ビジネス屋の人たちは、ITという分野があると思っている。一応業界の人であっても、だ。流石にそこまで大雑把でなくとも、組み込みとWEBアプリの違いがわからない人なんてザラだ。そういう人は、例えば組み込みの人にWEBアプリのことを聞いたりする。技術屋は誠実だから、持てる知識と予測推測で答えたり、逆に答えに窮したり、多くの場合は不機嫌になったりする。それに対しビジネス屋は、技術屋が何でも分かると思ったり、使えないと評価したり、面倒な相手だとウンザリしたりする。
この双方のギャップを埋めつつプロマネするのが西海岸ベイエリアのproduct marketingで、ビジネスモデルにまで仕立てられるのがentrepreneurだったりするが、やはり基本的に技術屋側の人間じゃないと難しい。そんなわけで西海岸にもあまりいないんだが、上述のようにビジネス屋の不当な評価により技術屋が虐げられてる日本ではこの先も望み薄なんだろな。